16人が質問をする
2023/06/02記
 昨日に開催された議会運営委員会で6月定例会の日程が決まり本会議における一般質問は4日間でおこなわれることとなった。改選直前の議会では3回続けて3日間の日程が続いていたので増えたように感じるが、一年前の6月定例会でも16人であったから特に異例なことではない。
 そこで、折角なので私が当選してから65回目となる今回の定例会までの質問者数について整理してみたものが下表である。
 
西暦 定数 可能 代表 個人 合計 比率 備考:私の質問
17 2007 6 28 25 13 13 52.0% 01回目
2007 9 28 25 4 9 13 52.0% 02回目
2007 12 28 25 16 16 64.0% 03回目
2008 3 28 25 4 11 15 60.0% 04回目
2008 6 28 25 12 12 48.0% 05回目
2008 9 28 25 4 9 13 52.0% 06回目
2008 12 28 25 15 15 60.0% 07回目
2009 3 28 25 4 10 14 56.0%
2009 6 28 25 10 10 40.0% 08回目
2009 9 28 25 4 12 16 64.0% 09回目
2009 12 28 25 14 14 56.0% 10回目
2010 3 28 25 4 10 14 56.0% 11回目
2010 6 28 25 16 16 64.0% 12回目
2010 9 28 25 4 13 17 68.0% 13回目
2010 12 28 25 18 18 72.0% 14回目
2011 3 28 25 4 11 15 60.0%
18 2011 6 28 25 18 18 72.0% 15回目
2011 9 28 25 4 16 20 80.0% 16回目
2011 12 28 25 19 19 76.0% 17回目
2012 3 28 25 4 15 19 76.0% 18回目(代表)
2012 6 28 25 17 17 68.0% 19回目
2012 9 28 25 4 15 19 76.0% 20回目
2012 12 28 25 18 18 72.0% 21回目
2013 3 28 25 4 14 18 72.0%
2013 6 28 25 17 17 68.0% 22回目
2013 9 28 25 4 13 17 68.0% 23回目
2013 12 28 25 21 21 84.0% 24回目
2014 3 28 25 4 11 15 60.0%
2014 6 28 25 18 18 72.0% 【副議長】
2014 9 28 25 4 13 17 68.0%
2014 12 28 25 19 19 76.0%
2015 3 28 25 4 10 14 56.0%
19 2015 6 24 21 17 17 81.0% 25回目
2015 9 24 21 4 11 15 71.4% 26回目
2015 12 24 21 16 16 76.2% 27回目
2016 3 24 21 4 10 14 66.7%
2016 6 24 21 14 14 66.7% 28回目
2016 9 24 21 4 13 17 81.0% 29回目
2016 12 24 21 12 12 57.1% 30回目
2017 3 24 21 4 12 16 76.2%
2017 6 24 21 12 12 57.1% 31回目
2017 9 24 21 4 13 17 81.0% 32回目
2017 12 24 21 16 16 76.2% 33回目
2018 3 24 21 4 9 13 61.9% 34回目(代表)
2018 6 24 21 18 18 85.7% 35回目
2018 9 24 21 4 10 14 66.7% 36回目
2018 12 24 21 16 16 76.2% 37回目
2019 3 24 21 4 10 14 66.7%
20 2019 6 24 21 13 13 61.9% 【議長】
2019 9 24 21 4 13 17 81.0%
2019 12 24 21 14 14 66.7%
2020 3 24 21 4 10 14 66.7%
2020 6 24 21 0 0 0.0%
2020 9 24 21 4 12 16 76.2%
2020 12 24 21 14 14 66.7%
2021 3 24 21 4 8 12 57.1%
2021 6 24 21 12 12 57.1%
2021 9 24 21 4 11 15 71.4% 38回目(代表)
2021 12 24 21 14 14 66.7% 39回目
2022 3 24 21 4 9 13 61.9%
2022 6 24 21 16 16 76.2% 40回目
2022 9 24 21 4 8 12 57.1% 41回目(代表)
2022 12 24 21 14 14 66.7% 42回目
2023 3 24 21 4 7 11 52.4%
21 2023 6 24 21 16 16 76.2% 43回目
 
 上表の「定数」は議員定数で、「可能」とは定数から議長・副議長・議会選出監査の3人を除いた人数である。私が当選した頃の第17期の平均質問者数は14.4人であり、中には2009年6月定例会のように10人しか通告しなかったために2日間で質問が終わってしまった日もあった。これでも私達の第17期当選世代が入ったことで質問が増えたのであり、私が議員になる一年前の2008年6月定例会では議員定数が今より6人も多い30人も居ながら8人しか質問していない状況であった。その時代を経験して私と重複して議会活動を行い、今は引退してしまったベテラン議員からは、当選以降連続質問を続けていた私に対して「質問しても何も変わらないよ」と知ったかのように声を掛けられた記憶がある。
 
 続く第18期当選世代も活発に質問を行い始めた結果、2011年9月定例会では代表4会派以外にも個人で16人からの通告があった。代表質問は90分なので通常の日程だと質問1日目の午前中に1会派、午後に2会派で、翌2日日の午前中に1会派を終えてから午後に個人を3人、以降は午前2人と午後3人となるため本来なら5日間の質問が行われる事態となった。
 月曜日から金曜日まで議会で部長級以上を拘束する事態を避けるため、火曜日から金曜日の4日間で収めるべく、この定例会から開始を1時間早めたり17時以降まで質問を続けるような「早出残業」制度が導入され、以降4回の定例会で実施された。
 中でも最多記録となった2013年12月定例会では全て個人質問であっても4日に収めるために「残業」が行われるに至った。その後に議員定数を削減したので21人も質問する事態は生じないと思うが、それでもコロナが空けて代表質問が90分に戻る次回定例会以降で個人質問が14人以上となると10年ぶりに「残業」が復活するかも知れない。
 
 現行のままでは「早出残業」を行う必要が生じても質問の合間が大きく空き、休憩時間が長く続くという効率的ではない事態も予想されている。コロナ対策で60分から50分に短縮した個人質問の枠を大きく残すものも多いので、一律60分とするのか、60分と30分の選択制にするのかなど制度を検討するべきだとも考える。
 袖ケ浦市や千葉県議会では質問者の発言時間を制限しており、執行部が長く答弁して引き延ばしを図ることが出来ないという利点は有るものの質問終了時刻が不明確で、傍聴に行くと既に開始されていたり当面始まりそうも無いような事態に遭遇する。
 木更津市のように全体の枠を決めれば開始時間が明確になり傍聴者には優しいけど効率が悪いのとどちらがよいのか、中間の解決策はあるのか、そもそも1時間が妥当なのかなど、将来を見据えた議会改革の議論も必要だろうと思っている。
 
 上表で質問者数を「可能」な人数で除した「比率」をグラフにしたものが下図である。
 
 第18期(2011年)以降は概ね70%程度の値で質問が続いているが、その中で特異な値になっているのが2020年6月定例会である。当時は私が議長を務めている時で、コロナ感染症に伴う緊急事態宣言に対応して一般質問を中止して議会日程を短縮し、議会最終日に各常任委員会委員長からの緊急質問を行った。当時はオスプレイの暫定配備が具体化に向けて進んでいる途中であり、議会の一般質問は不要不急なのかという批判記事を書いていた新聞社もいたが、それに対する私の意見(思うこと)はここに記載の通りである。
 
 次に視点を変えて当選直後の6月定例会で新人がどの程度質問していたのか整理してみたものが下表である。なお年齢及び会派は当選当時のもので、交渉会派でも政党でも無い会派は諸派として整理させていただき、さらに会派名は略称とした。
 
氏名 年齢 性別 会派 質問 新人質問率
17 近藤  忍 43 F未来  (6÷7=) 86%
岡田 貴志 45 公明党
平野 卓義 48 F未来
篠崎 哲也 49 正栄会
鶴岡 大治 50 F未来
齋藤 高根 52 F未来
國吉 俊夫 58 正栄会
18 草刈 慎祐 31 羅針盤  (5÷8=) 63%
永原 利浩 46 羅針盤
渡辺 厚子 47 公明党
座親 政彦 47 新栄会
宮木 康弘 48 羅針盤
田中 紀子 52 諸派
重城 正義 57 自民ク
鈴木 秀子 63 共産党
19 竹内よしえ 52 公明党  (2÷3=) 67%
石井 徳亮 52 羅針盤
石川 哲久 67 正栄会
20 佐藤 修一 47 公明党  (1÷4=) 25%
神蔵 五月 53 公明党
堀切 俊一 61 立憲党
石川富美代 64 扶桑ク
21 吉田眞希人 30 羅針盤  (3÷7=) 43%
吾津松太郎 45 羅針盤
松井 晃治 47 新栄会
藤田 真澄 48 諸派
重信 文彦 52 諸派
安藤 順子 56 新栄会
斉藤 秀樹 59 羅針盤
 
 今期の議員は半数以上が質問を見送っているが、この5回の選挙で初当選した29人の議員のうち17人が質問し12人は見送っている。私は当選する前から議会傍聴を何回か行っているので様子を理解していたので抵抗はなかったが、議会という未知の世界に突然足を踏み入れることになった新人は暗黙のルールを把握するためにも見送るというのも悪くない選択だと思う。因みに女性議員は8人中5人が質問しているので新人質問率は63%となり男性議員の21人中12人が質問した比率である57%より高い値となった。
 
 通告書を見ていると細かい話や自治体の範疇でない話など多種多様であり、中には担当課に聞いたら個人的な疑問が解決して議会全体で把握する必要はないのではと思うものもある。議会での質問は議員個人としての責任と判断で市政を導きたい方向へ進めるための課題を明らかにすることだと考えている。決して私の通告が優れているわけではないが、新人議員には多くの質問の中らか良いところを吸収していただき、9月定例会以降から参戦する方には、目が冴え血沸き肉踊るような質問が始まることを期待しつつ、今回の記事を終える。