筑波山(2回目) 876m 茨城県つくば市
2010年01月01日登山:W辺と2人
 
 大晦日と2日が仕事になるW辺から「この冬は嫁の実家に挨拶に行く暇もないので一緒に初日の出でも見ないか」という誘いをもらった。彼とは16年前のGWに八幡平へ行って以来の登山となる。私も年末年始の挨拶回りの間に身体を動かしたかったこともあり、元旦登山を計画する。しかし元旦は冬型が強まり山は荒れるという天気予報が出たため、安全な筑波山を選ぶことにした。2回目の登山であるが、実に32年ぶりである。前は木更津から自転車で行き、ケーブルカーを使ったとは言え下山は歩いて降り、その日の内に木更津まで帰ったとは我ながら恐れ入る話である。
 ともあれ、大晦日の正午に自宅を出発し、千葉ニュータウンで彼の車に荷物を詰め替え、野田市から玉葉橋を渡り江戸川の土手の上で16:35に富士山北側に沈む2009年の夕日を見送り、風呂に入って蕎麦を食い、筑波山神社近くの市営駐車場まで移動する。車内のラジオで紅白を聞きながらバーナーで煮込みを暖め、ビールを飲みながら年越しをする。
 
 翌朝は3:50に起床。荷物を準備し防寒装備を調え、4:22に出発する。外では満月が一部月蝕をしていた。筑波山神社で初詣を行い、動き始めているケーブルカーを横目に真っ暗な登山道を多くの観光客と共に登っていく。男女川の源流の水場などで一服取りながら駅前広場には6:05に到着する。既に多くの人々で賑わっており空もうっすらと明るくなってきた。女体山山頂までは電球に照られた登山道を登るが、山頂の神社は人が多すぎて警備員に立ち入りを制限される、仕方がないのでつつじが岡側に少し下り、展望が開けて風の来ない場所で日の出を待つ。眼下には霞ヶ浦が横たわり土浦等の夜景が広がっていた。
 寒い中で服を重ねて待っていると段々と空が明るくなり、6:48に水平線から登る2010年の日の出を向かえる。直ぐに薄く広がる雲の中に入ってしまい、その上に登る暖かな日差しを待ってから山頂に再度向かう。人も空いた頂上からは関東平野の向こう側に富士山も見え素晴らしい展望で有ったが冷たい風が吹き荒れる厳しい空間でも有り、耐えきれずフェイスマスクを装備して写真を撮り続ける。そして7:14に山頂を後にして、弁慶茶屋経由のルートで下山する。W辺が筑波山神社で破魔矢を購入したり、私が門前の土産物屋で七味を土産に買ったりしながら車に帰り着いたのは8:38であった。
 冷えた身体を暖めるべく、9時から開業していた筑波山温泉に入浴し、筑波学園都市の公園でW辺が用意してきた雑煮をバーナーで作って食べ、正午に千葉ニュータウンに到着する。荷物を移し替え、元旦で明いている国道を快適に走り、2時過ぎには自宅に帰り着いた。それから年賀状を読んだり犬の散歩に出かけたりして充実した元旦を過ごすことができた。
雲仙岳 1,359m 長崎県雲仙市
2010年01月18日登山:単独
 
 平日の月曜日で、先週末には沖縄出張があって日程が厳しかったが、ANAのマイルによる無料航空券が使える時期がここしか考えられなかったので、2泊3日の九州旅行を企画し、その初日に雲仙に登ることにした。
 
 始発のバスで東京湾を渡り、羽田から佐賀空港を経て仁田峠の駐車場に着いたのは1:08だった。先週は九州も大雪だったので道路の路肩にも雪が残り、この日は穏やかに晴れていたが登山道は雪道である。しかし、荷造りで軽アイゼンを忘れてしまった。気をつければ何とかなるさと思うが、妙見岳への登りにはついロープウエイを利用してしまった。ちなみに片道610円である。
 山頂駅を13:24に歩き始め、妙見神社を過ぎ、最初に国見岳に登る。右手には常に普賢岳の向こうに平成新山の溶岩ドームが聳えている。既に午後なので登山者も少ないが、皆きちんと軽アイゼンを装着している。不安になりながら岩場に付くと窪みには氷状になって滑る雪が溜まっている。足場に注意しながら国見岳の山頂に到着したのは13:47だった。コースタイムより早い。天気は晴れているが下界は透明度が悪く、期待していた大展望は果たせず、何とか島原方面が見下ろせ、多良岳が霞の上に浮かぶだけである。
 山頂展望を少し楽しんだら次に普賢岳を目指す。下山路は鎖やロープに捕まりながらスリップしないように慎重に進む。紅葉茶屋までの道は雪の上を踏んでいくルートであったが、新たな雪のためかえって滑りにくく、危惧したほどの危険性はなかった。そして再度急坂を登りつめて普賢岳の山頂には14:25に到着する。夫婦一組が下山を開始するところだったので写真を急いで撮って貰い、その後は一人で静かな山頂を楽しむ。目前に聳える溶岩ドームにも雪が付いている所を見ると、もう地熱は低くなっているのかもしれないが、まだ有毒ガスの可能性で入山禁止となっていた。草も生えており、緑の山に帰るのは遠くない未来の事だろうと思う。
 身体が冷えてきたので15分で山頂を後にして蘇谷広場経由で仁田峠の駐車場に帰り着いたのは15:20の事であった。2時間少々の山歩きを満喫し、その後の九州旅を楽しみ続けた(→ドライブ記録)。
日向山 1,660m 山梨県北斗市
2010年04月06日登山:単独
 
 「翌日は爽やかに晴れる」という天気予報を月曜日に見てしまった。年度末には様々な行事が立て込み、そろそろ休みを取りたいと思っていた矢先の情報で、さらにネットで日本三大桜の一つである神代桜を検索すると満開情報。近くに風景の卓越した日向山も発見。明日は行かねばならないと思い、月曜の夜に仕事を詰め込み、火曜日の朝4時40分に起床してアクアラインを渡った。
 
 中央道を進むうちに朝靄が消え始め、韮崎ICを降りる頃にはすっかり晴れ渡っていた。神代桜には7:45に到着し、駐車料金500円を払って登山前に観光をする。桜と水仙と甲斐駒が綺麗なコントラスを見せていた。そこから広域農道と林道を抜けて登山口に着き歩き始めたのは8:50であった。平日なので誰もいないと思っていたが、私の車は3台目であった。
 「日向山ハイキングコース」として標識が整備された道で、落葉松と熊笹の単調な景色の中を一定勾配で黙々と登る。標高差540mを登り、山頂の三角点には10:04に到着した。事前情報が無くて此処から帰ったら非常につまらない山として記憶されるような頂である。山頂直前ですれ違った女性はこの先を見てきたのだろうか、と人ごとながら気になる。
 木立を抜けて白砂の雁ヶ原に飛び出し、遮る物の無い八ヶ岳に向き合うと感嘆の声が挙がってしまった。花崗岩の奇岩も楽しい。空気がスッキリと澄んでいない事が少し残念だったけど、カメラを片手に20分近い時間を撮影に使ってしまった。
 撮影を終えて直ぐの下山路は急な砂の斜面であり、慎重に下って広葉樹林の中へ入る。錦滝へ下る道は結構な急勾配で、逆コースは負担が大きそうだと思いながら岩の多い道を下っていると登りの夫婦連れに出会う。二人ともかなり厳しそうである。もう少し下ると錦滝で林道に出る。滝壺は砂金のように雲母がきらめいている。ボトルに水を満たし、林道歩きを始めると落石や倒木でコースが荒れている。もちろん車など通れ無い状況だが、却って飽きが来ない林道歩きである。
 変化の多いコースに満足し11:34に車に帰り着く。今回は風邪気味だからこの山だけで帰ろうと決意して、林道入り口近くにある甲斐駒ヶ岳温泉尾白の湯で暖まり、服を着替えていると知人から電話が入っている。折り返すと夕方までに帰らねばならない用事が出来てしまった。そうは言っても山梨名物鳥モツ煮と蕎麦を奥藤竜王支店で食べてから高速に乗り、釈迦堂PAで桃の花の景色を楽しんで16:25に帰宅した。スーツに着替えて打ち合わせに行くが、山に登ったことは秘密にして置いた。 
生駒山 642m 奈良県生駒市
2010年04月13日登山:単独
 
 一等三角点の山だが、それが遊園地の中にあり、周辺は車やケーブルカーで来た観光客ばかりという、登山意欲が全く起きない生駒山だが、下らない理由で行く必要が出た。中間駅や踏切がある古いケーブルカーにも乗りたかったから下山だけ山の雰囲気を味わう計画にして、奈良西大寺までの長いドライブを行い、近鉄列車とケーブルカーに乗って山を目指した。下山後は大阪の街に出るのでズボンはジーンズと山をなめた格好である。
 
 乗換の宝山寺駅で途中下車して奥の院まで参拝をして、このまま山頂までも簡単に行けるとは思ったが、駅まで戻りケーブルカーに乗る。生駒山上駅には13:56に降りる。ここから頂上までの標高差は僅か12mである。遊園地の従業員に三角点の場所を聞いて苦労もせず山頂を踏む。桜は満開で綺麗だが大阪平野は雲の中で、かろうじて山麓周辺だけが見えているだけの状況に落胆する。人の少ない遊園地を無料で素通りしてしまっては悪いと思い、サイクルモノレール(400円)だけ乗ってから石切駅を目指し、標高差約540mを辻子谷コースで下山すべく14:25に行動を開始する。
 駐車場の正面に標識があって道は解りやすいが、濡れて滑りやすくなっている石畳を下っていくと、入山者も多いようで3組ほど抜いていった。途中で何回も舗装道路を横切り山が深くなった頃に興法寺に付く。石垣と桜が綺麗な寺で休息をとり、もう一息下ると『七丁』の石碑でコンクリート舗装道に出る。後は良く整備された道を下って行くだけである。家々が出てくる頃、遠くに大阪のビル群が見えてくる。夜景は綺麗だろうな、と思うが良い展望位置がない。復元水車の所に展望場を設ければ良い観光地になるのに、等と思いながらさらに下る。所が市街地に入ると今まで十分だった標識が急に不親切になる。散歩中の人に教えて貰って15:28に石切駅に到着した。63分間の歩行時間だった。 
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