No.93 月山編      日本を走る ←No92北越編No94岡山編→
旅行期間 1998年4月28日〜1998年5月6日 旅行日数:9日間
総走行距離 368km
走破市町村 12
同行者 F島(サポートカー) 使用自転車:GT
総費用 91,424円 当時の年齢:34歳
初日 1998年4月28日
移動区間 自宅→東北道車中(輪行のみ)
2日目 1998年4月29日
輪行区間 自宅→東北道白石IC、東根温泉→尾花沢市銀山源泉館
走行区間 東北道白石IC〜東根温泉
走行距離 101km
走破市町村 1(七ヶ宿)
累計数 2,953
 昨年の北越編以来の1年ぶりの走りになる。目的は宮城・山形・秋田県の制覇であるが、合わせて東北の桜と春スキーを楽しんでこようと企画した。F島は桜と山スキーは賛成だが私が走っている間は登山をすると言うことになった。車は装備が多くなる私のものを使い、起点で降ろして彼は登山口に行き、下山後待ち合わせ場所で拾うという、理想的なサポート体制が出来る。また彼の登山時間も私のステージ毎の走行時間もおよそ半日なので午後は温泉三昧となる贅沢な企画になった。
 初日は仕事を終えてF島を群馬県の社宅で拾い東北道を北上し相互に運転交代中は睡眠を取る上に国見SAで仮眠を取り寝不足回避をする。
 翌朝、白石ICで東北道を降り、その場で自転車をキャリアから降ろして分離。彼は南蔵王の山を登るということで集合場所は予約してある銀山温泉と約束して別れる。113号線を西に走れば七ヶ宿町に入り宮城県走破完了である。ダム湖の上に幅広く鯉のぼりが泳いでいる。
 金山峠を越えて上山に入り東根まで進んだ所で時間が余りそうだから温泉に入ることとし金を払って脱衣場で服を脱ぎ終えたら携帯が鳴る。今まで通話範囲と耐久性に難があると思い自転車旅には携帯を持ち運ばなかったが、今回から持ってきた物だ。電話の内容は公衆電話よりF島が下山したとの報告。東根まで40分位の位置なので駅前集合を約束し入浴。湯上がりで車に合流して銀山までの走行は打ち切り。時間があるので肘折温泉を回り、銀山温泉に宿泊。なお、源泉館はGWにも関わらず1泊2食で9千円以下の宿だったが雰囲気、品格、食事ともに文句無しだった。
3日目 1998年4月30日
走行区間 尾花沢市銀山源泉館〜寒河江ダム
輪行区間 寒河江ダム→西川町姥沢小屋
走行距離 60km
走破市町村 2(河北,西川)
累計数 2,955
 宿から自走して今日は月山の東側を走ろうと考える。村山から河北を越えて112号線に出ると旧道は雪通行止めの標識。月山の左右で軌跡を繋ごうにも六十里越バイパスの月山第一トンネルは自動車道なので自転車が走れず駄目である。
 西川で早めの昼食に蕎麦を食べながら対策を考えていると葉山(1,462m)を目指していたF島が雪のため途中撤退したと携帯に電話してくる。ならばと思い切って自動車道分岐で走行を打ち切り午後はゲレンデスキーを楽しもうと合流を指示する。
 自転車で走った日にスキーをやるなんて初めての体験である。
4日目 1998年5月1日
輪行区間 西川町姥沢小屋→田麦俣、鶴岡講道館前→本荘市三六温泉
走行区間 田麦俣〜鶴岡講道館前
走行距離 19km
走破市町村 2(朝日,櫛引)
累計数 2,957
 朝から月山にスキー登山して快適に滑り降りてきた。下山後、車で移動して峠の向こう側にある『語るべからず』という湯殿山に参拝する。語るべからずなので詳細は書かない。参拝後は参道近くの湯殿山温泉に入る。それより下の旧道も除雪前の通行止めなのでダウンヒルなのに自転車に乗れずに、昨日の終了地点に合わせるように田麦俣の自動車道分岐まで車で降りてやっと自転車を車から降ろす。
 田麦俣から走り始め、朝日を抜けて櫛引町に入れば山形県走破完了である。そこから羽越編の軌跡になる鶴岡市まで走り本日の自転車部門は終了。自転車をキャリアに積み、F島に車を運転させて助手席で山形県制覇の祝杯を挙げる。鶴岡から本庄まで一気に北上する間に助手席でうたた寝すれば今夜の宿に予約した三六温泉に到着。GWなのに宿泊客は我々だけである。寝場所に大広間を宛われたのはどうかと思うが食事も湯も良い感じで料金も安い。連休とは言え主要観光地以外は空いている事を体験し、旅の質は企画力の勝負だと実感する。
5日目 1998年5月2日
走行区間 本荘市三六温泉〜院内駅前
輪行区間 院内駅前→角館町民宿W
走行距離 66km
走破市町村 3(由利,矢島,鳥海)
累計数 2,960
 朝から自転車で108号線を南下する。走行方向は昨日までと逆になるが走破のためなので移動の効率が悪いことは仕方ない。道は快適で右手の鳥海山の白い姿も綺麗である。峠越えがあるため当初4時間と見ていた行程を3時間で走り終える。F島が携帯を持っていないため連絡を取れず集合時間を変更することもできない。仕方ないので待ち合わせ場所の院内駅で本でも読んで時間をつぶすことにしたが、私の知識にない院内銀山異人館が駅に併設されており、その見学で時間を有意義に過ごすことが出来た。
 F島と合流後はドライブの旅になる。昼に稲庭うどんを本場に食べに行こうと現地に着き佐藤養助本店に入り美味いうどんに再会してしまう。あまりの美味さに泥湯温泉入浴後に再度1杯食べに戻ってしまったほどだった。
 この日の宿は角館で花見酒を出来るように市内の民宿を旅行前から予約していたが桜が既に終了している上に宿のサービスも悪く、食事は品数だけは多いが不味い。特に稲庭うどんとして出されたそうめんのような物の貧弱さには頭に来る。その上民宿と言いながら1万円以上の料金なので繁忙期に来た自分を責めるだけだった。やはり旅は企画力だ。
6日目 1998年5月3日
移動区間 角館町民宿W→黒石市民宿大川(輪行のみ)
7日目 1998年5月4日
輪行区間 民宿大川→酸ヶ湯温泉、八甲田ロープウェイ駅前→谷地温泉
走行区間 酸ヶ湯温泉〜八甲田ロープウェイ駅前
走行距離 6km
走破市町村 0
累計数 2,960
 6日目は朝から雨。田沢湖から鷹巣までマタギの里を走る計画を帰路に回し、車で1日温泉巡りを行いながら北上する。黒湯温泉、玉川温泉、古頭部温泉と素晴らしい温泉を回って青森県に入る。弘前の桜も楽しみだったが既に葉桜に成っていると聞き立ち寄るのも止めた。今日は温泉に入るだけで特に体力も使っていないから粗食の宿にしようと1泊2食で5千円の温泉民宿を予約する。しかし夕食は粗食とはほど遠い内容で1人1個の毛ガニまで付いてしまったのだった!

 7日目は薄曇り。視界のほとんど無い八甲田山に登り、下山すると晴れるという事はよくある話である。酸ヶ湯温泉で汗を流して外に出たときの晴れ方とブナの新緑があまりに快適なので、この日の走行の予定はなかったが自転車を降ろしてロープウェイ駅近くまでのダウンヒルを楽しむ。交通量が増えてきて、F島が運転する車とはぐれてしまうといけないので少し広いところで自転車を積み、車で三内丸山遺跡の見学に向かう。夜は旅行前に予約しておいた谷地温泉で強力な温泉を楽しみながらのんびり湯治をするのであった。
8日目 1998年5月5日
輪行区間 谷地温泉→道の駅鷹巣
走行区間 道の駅鷹巣〜田沢湖町田沢湖YH
走行距離 116km
走破市町村 4(森吉,合川,上小阿仁,阿仁)
累計数 2,964
9日目 1998年5月6日
移動区間 田沢湖町田沢湖YH→自宅(輪行のみ)
 6日目の雨で後回しにされたマタギの里の走行を実施する。
 車で谷地温泉から道の駅鷹巣まで移動してそこから走行開始。県道で合川を経由して米内沢に至り、そこから105号線を南下する。天気は快晴で無風の自転車日和である。
 阿仁前田駅で温泉の表示を発見。今夜は田沢湖YHを取ってある上に宿が集合場所だから待ち合わせ時間なんて気にせず自分のペースで進めるし、日没までの時間も大分あるから峠を登る前に森吉山を見ながら早速一風呂浴びる。
 湯上がりの風は何時も最高に気持ちがよい。もっとも汗をかき始めるまでの僅かな時間の楽しみに過ぎないのではあるがその瞬間が貴重なのである。1日当たり100km以下の距離で設定すればこのような贅沢が出来るのだが、今までは走らねばならないところが多すぎて毎日の走行距離が長すぎた。
 山間のよく整備された国道を松葉まで走ったら田沢湖畔へ登り、湖畔をのんびり流してYHに向かう。F島が車で追いついたのは偶然にもYHの駐車場に入ろうとしているところだった。GWの最終日なのでYHも好いている。明日の5月6日は水曜日で世間は仕事開始だから当然かも知れない。

 最終日は帰るだけの日だが天気はますます良い。帰路は自分の車を自分で運転し、岩手県の国見温泉に立ち寄り、湯の良さに深く感動する。東北道を福島県本宮ICまで走り、安達編で発見したアサヒの麦酒工場で長いツアーの打ち上げをする。と言ってもF島はここから運転なので飲むことは出来ない。
 群馬までの車中で熟睡し、F島の寮で風呂に入り、アルコールを抜いてから運転を始め、深夜遅くに長い複雑な旅から帰宅した。(次は岡山編