快速停車を要望する
2017/05/24記
 平成21年から活動を開始した巌根駅快速停車運動も今年で8年目を迎えることに成った。当初からの運動に携わっていた人も地域の役員を退かれた人が多く、新たに地域の区長等に就任された方々に今までの協議会と市の双方の動きを復習するためと、この春のダイヤ改正で11本も列車が削減された事に対して改めて総武線快速停車を求めるために、5月20日に協議会を開催した。
 
 協議会には会の役員を含め31名(企画課職員2名は含まず)が参加し、私から過去の経緯等を説明し、企画課長から今までの市の取組と現在のバリアフリー化に向けた課題等の説明が行われ、質疑が交わされた。その際の資料から協議会の経過を抜粋する。
 
2009年10月25日
 巌根駅に快速電車を停めよう!推進協議会発足
2010年 1月25日
 JR・千葉県及び木更津市に署名簿と要望書を提出
2010年 4月 6日
 巌根駅前に要望看板を設置
2010年 9月 2日
 JR東日本千葉支社に再度要望書を提出
2011年 3月11日
 東日本大震災(これによりホーム延長協議が中断)
2013年 5月13日
 JR東日本千葉支社に3回目の要望書を提出
2014年10月 7日
 巌根駅前広場整備工事完了(関連事業費125,774,930円)
2015年 3月14日
 ダイヤ改正で巌根駅に京葉線快速(上り3本・下り5本)の停車
2015年 3月27日
 木更津市に総武線快速停止を進めるよう再度要望書を提出
2017年 3月 4日
 ダイヤ改正で普通列車(上り6本・下り5本)の削減
 
 この様に要望書も何度となく提出しているのではあるが具体的な進展がないため、本日、市に対して3回目となる要望書を小籠会長以下、多くの役員や顧問の県・市議会議員の方々と供に提出してきたので、ここに報告する。
 なお、JR東日本にも要望書を提出する方向で検討してきたのであるが、春のダイヤ改正に伴う各種の要望が多く出されたためか定かではないが、各種団体からの個別要望は受け取らないという方針に成ったという事なので、市の企画部を通じて地元要望を届けていただく形式とした。
 
 市長宛の要望内容は下記の通りである。
 
内房線巌根駅への「快速電車停車」等に関する要望書
 
 私どもの協議会は、7年前の平成22年1月25日に内房線巌根駅への快速電車停車を求めた11,526名の署名を添えた最初の要望書を提出いたしました。
 その後、東日本旅客鉄道株式会社と木更津市の間で会議が持たれ、費用負担の合意が整った暁には、平成25年度末までにホームの延伸工事が完了して巌根駅に総武線快速を含めた全ての列車の停車が実現できる、という方向で協議が進められていました。しかしながら、平成23年3月11日に発生した東日本大震災からの復興を優先する中で、巌根駅のホーム延長については先送りになっていますが、木更津市のご努力により巌根駅前広場の整備が進められ、現在では地域住民による花壇の維持もあり、地域の顔として愛される空間となっています。
 また、粘り強い協議のお陰で、平成27年3月のダイヤ改正で、京葉線快速電車の停車が始まり、地域住民にとっては東京方面への通勤が容易になったと大変喜んでおりました。しかしながら京葉線の快速は朝夕の通勤時間帯に限られ、日中は総武線快速が停止しないために便数が少ない状況にあることから、全ての快速電車を停車するよう引き続き協議をお願いする要望を同年3月27日に提出させていただきました。
 さらに、今年の3月に行われたダイヤ改正により普通列車が上下合わせて11本の削減となり、巌根駅の利用者にとって日中の移動に不便を来たしております。この解消のためには、毎時1本の運行がある総武線快速を巌根駅に停止することが必要です。
 巌根駅の開設は戦前に帝国海軍が木更津基地を設けたことに起因し、昭和40年代の新日本製鐵君津製鐵所の建設による急激な人口増を吸収したのも岩根地区に都市インフラが整備されていたためで、現在でも駅の東西には小中学校・保育園・幼稚園が完備され、多くの商業施設や病院等が充実したコンパクトな街並みを形成しています。この都市機能があるため、新たなインフラ投資をしなくとも、快速電車の停止だけで全国から東京へ通う多くの人々がこの地域に移住して頂けるきっかけになると確信します。
 これから日本は人口減少が続きます。その中で、ほぼ地域経済は人口規模に比例して発展するため、各地域が人口を増やすための模索をします。アクアラインの800円化により木更津市の人口も増え、市の貴重な税収である固定資産税の増収にも繋がっています。これは、森田知事が年5億円の県の負担で未来の為の投資をして頂いているからに他なりません。今であれば都心に集まる方々がおりますが、これからの人口減少と共に年々全国の人口の流動性が減少して行くとも考えられ、人口を増やすために今動かなければ未来に禍根を残すと考えます。そこで改めて次の項目について要望いたします。
 
要望項目
 1.総武線快速電車の停車に向けた検討と東日本旅客鉄道株式会社との協議を進めること。

平成29年 5月 24日
木更津市長 渡辺芳邦 殿
要請団体 巌根駅に快速電車を停めよう!推進協議会
       
 
 次に企画部を通じてJRへ要望する内容は下記の通りである。
 
内房線巌根駅への「快速電車停車」等に関する要望書
 
 東日本旅客鉄道株式会社におかれましては、内房線の安全かつ安定した運行を通じ、地域住民の生活を支えていただいていることに、衷心より厚く御礼を申し上げます。
 私どもの協議会は、7年前の平成22年1月25日に内房線巌根駅への快速電車停車を求めた11,526名の署名を添えた最初の要望書を提出し、同年9月2日には本千葉駅への快速電車停車を受け、重ねて2回目の要望書を提出いたしました。
 その後、御社と木更津市の間で会議が持たれ、費用負担の合意が整った暁には、平成25年度末までにホーム延伸工事が完了して巌根駅に全ての快速電車の停車ができる、という方向で協議が進められていました。しかしながら、平成23年に発生した東日本大震災からの復興が優先され、巌根駅の改修が先送りに成りました。復興が軌道に乗り木更津市による巌根駅前広場の整備が始まる平成25年5月13日には、ホーム延伸を伴わない京葉線快速の先行停車をお願いする3回目の要望書を提出いたしました。
 平成27年3月のダイヤ改正で京葉線快速電車の停車が始まり、東京方面への通勤が容易になったと喜んでおりました。しかし、今年3月のダイヤ改正により普通列車が上下合わせて11本の削減となったことで利便性が低下し、通勤に自家用車利用が増えていると聞きます。この解消のためには総武線快速電車を巌根駅に停止することが必要で、それにより鉄道利用者が再度増加するものと考えられます。
 巌根駅の開設は戦前に帝国海軍が木更津基地を設けたことに起因し、現在でも航空自衛隊や海上自衛隊の最寄り駅です。また昭和40年代の新日本製鐵君津製鐵所の建設による急激な人口増を吸収したのも当地区に都市インフラが整備されていた事が原因で、現在でも駅の東西には小中学校・保育園・幼稚園が整い、多くの商業施設や病院等が充実したコンパクトな街並みを形成しています。
 また、巌根駅はアクアライン着岸地の最寄り駅であり、木更津市による東西を繋ぐ跨線橋や駅前広場の整備も終わり、関連道路網の整備も進んでいます。さらには時代の趨勢により本地区でも農業からの撤退が多くみられ、所有者による農地の宅地への転用や、相続税の支払いのために手放された農地を住宅メーカー等が宅地開発して供給する中、地区外からの転入者が多く見られ、この状況は益々増大するものと思われます。
 このように、充実した都市機能があるため、新たなインフラ投資をしなくとも、快速電車の停止だけで東京へ通う多くの人々がこの地域に移住して快適な生活を送ることが可能になることは明かであり、地域住民だけに留まらず広く首都圏の財産となります。
 千葉駅の大規模改修によりペリエ千葉エキナカが今春にグランドオープンする等の明るい話題に溢れている一方、御社が全国に数多く保有する駅のバリアフリー化を進めねばならないという課題のもとで、巌根駅におけるホーム延伸及びグリーン車両がある快速電車の停車に向けたシステム整備が大変であることは承知していますが、改めて次の項目について要望いたします。
 
要望項目
 1.総武線快速電車の停車に向けた検討及び行政協議を進めること。

平成29年 5月 24日
東日本旅客鉄道株式会社 殿
要請団体 巌根駅に快速電車を停めよう!推進協議会
       
 
 双方ともに検討と協議を進める事を要望しており、聞くところによればバリアフリー化の課題もあるので協議については早々に開始されるようである。
 ただ、前回の市に対する要望の際に「事業費の精査を行うなど前向きな検討を進めて貰うこと」を期待していたのであるがそれは進んでおらず、平成32年度までと言われているバリアフリー化に向けた補助要件である関係者による協議会での「計画」立案すら出来ていない状況であり、速度感が求められているという自覚を持つよう、提出後も協議状況を注視しなければならない。
 
 
 袖ケ浦駅北口ではタワーマンションの販売が始まり、昔は同列に語られていた巌根駅との差が明確に開き初めてしまっている。木更津市全体の活力と税収を維持するためにも、弱点の補強は必要であり、巌根駅への取組もそのような観点から検討を進めねばならいと考えながら今回の報告としたい。